親七面さま
親七面さま

もうひとつの七面さま物語

七面さまにはいまだあまり人に知られていない、ある物語がございます。
現在、霊山七面山頂上に祀られている七面大明神さまの御仏像……そこにこめられている御霊は、実は「子ども」なのです。
七面さまの「親」となる御霊がこめられている「親七面さま」は、七面山頂上とは別のところ、とある村にひっそりと祀られており、今も村の人の手で大切に守られています。
なぜ「親七面さま」がこの村に祀られるようになったのか……それには、こんな昔々の物語がございます。

日蓮聖人との出会いにより、七面山の永遠の守り神となった七面大明神さまを七面山の山頂の池畔にお祀りすることになったのは、1297年(永仁5年)9月19日のことでございました。
以来、大切に守られてきた七面大明神さまですが、1776年(安永5年)に起きた火災により、その運命は大きく変えられることになりました。
火災が起きたその日、お堂にいよいよ炎が迫った時、僧侶は無我夢中で七面さまのご仏像を袈裟に包んで運び出し、その難を逃れたといいます。
その後、お堂を再建することになり、その際、七面大明神さまから「寄付によらず、托鉢により浄財を集めよ」とのお告げがあり、僧侶たちは全国へ托鉢に向かいました。
それから9年あまりの月日が経ち、ようやくお堂が再建されることになりました。もちろん人々の浄財により新しいお堂が建てられたことは申し上げるまでもございません。

そして、晴れて真新しいお厨子に七面さまのご仏像をお納めする時になりました。ところが困ったことに、新しく出来たお厨子にご仏像が入らないではありませんか。お厨子がご仏像より小さいのです。
さて、どうしたものか……」皆で話し合い知恵を出し合った結果、「折角出来たお厨子を壊し作り直すよりも、いっそご仏像を新しく作ってはどうか」ということになりました。
そこで早速、七面山の山中からご神木を切り出し、新しいお厨子にぴったりと納まるご仏像が作られました。

そして、これまでのご仏像とこの度新しく作られたご仏像を並べて、僧侶により「御霊移し」が行われました。ところがどうしたことか、新しいご仏像には今までのご仏像の御霊ではなく「子ども」の御霊が入ってしまいました。
しかし「子ども」といえども有難い七面大明神さまの分け御霊でございます。これもまた「何か意味のあること」として、人々はそのまま「子ども」の御霊が入った新しいご仏像を新しいお堂にお納めすることにしました。ただ、そうすることで今までの「七面さま」……「親」となる七面さまの御仏像は行き場を失ってしまいました。
そこで人々は、この「親七面さま」を大切にお守りし、お祀りしてくれる村を探すことにしました。
霊験あらたかな七面大明神さまのご仏像をお祀りできるとあって「ぜひ我が村にお迎え申し上げたい」と幾つもの村々が名乗りをあげました。
その中で、小高い山の上にある村が「親」の「七面さま」をお迎えすることになりました。村では精一杯のお迎えをしようと、決して大きくはありませんが心のこもったお堂を建てました。

このようにして、ご縁のあった村の善男善女により「親七面さま」は村のお堂でお祀りされることになったのです。

晴れの日も 雨の日も 風の日も 嵐の日も いつも静かに
子どもの「七面さま」のお足元で、ひっそりと「親七面さま」はお佇みになっておられます。

皆様が親七面さまのご威光に触れ、素晴らしい人生を送られますように 合掌


お参りされる皆様へお願い

現在、親七面さまをお守りする村は、高齢化と過疎のため、たった一軒(望月家)を残すのみとなりました。
このため、いつでも皆様にお堂を開放することは難しい状況になっております。

お堂にお参りされたい方は、あらかじめ下記にご連絡をいただき、ご予約をお願い致します。
また、ご予約のご連絡をいただきましても、ご要望にお応え出来ないこともございます。あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。

そして、親七面さまの維持管理は、基本的に、今も変わらず村……つまり望月家が行っております。
親七面さまを末永くお守りするために、ご開帳の際にはお心付けをご協力いただけますと幸いでございます。

親七面さまのご開帳に関するお問い合わせは

望月 智裕
〒409-2074 山梨県南巨摩郡早川町大原野1718
電話 0556-48-2232
携帯 090-4524-6481

※望月さまのご好意により、個人情報を記載させていただいております。ご連絡にあたっては、くれぐれも常識的な時間帯にご連絡いただき、丁寧なご対応をお願い致します。
※携帯電話へのご連絡は、自宅の電話がつながらない場合のみとしていただきますよう、お願い致します。